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2015年07月28日

結婚指輪って

「お前がこんなとこにいるなんて珍しいな」
「わっ?! あ・・・びっくりしたぁ~!」

ヌッと後ろから回された手に軽くつくしが飛び上がった。

「どうしたんだよ? じーっとドレスなんか見上げて」
「んーん。どうしたってわけじゃないんだけど・・・なんだかふっと見たくなっちゃって」

そう言ってもう一度見上げた先には純白のドレスが飾られていた。
滑らかなシルクとレースに彩られたそれは、つくしのためだけに作られた正真正銘最高級の一点ものだ。

「やっぱり何度見ても綺麗だなぁ・・・」
「へ~、そんなに見に来てんのか?」
「たまーにね。司が仕事に行ってる間に散歩ついでに見たくなったり香港如新
「散歩ついでって・・・」
「だってこのお邸広すぎるんだもん。ここに来るまでですら立派な運動になるよ」

そう笑って撫でたお腹はすっかり大きくなっていた。すぐにその上に司の手が重ねられる。

「お前、何を準備するにもギャーギャー騒いでたよな」
「そりゃそうだよ。一般庶民のあたしからすれば別世界すぎたもん」
「普通、女なら泣いて喜びそうなもんだけどな。お前の場合別の意味で泣きそうだったからな」
「あはは、ほんとだよね~。あれも今となってはいい思い出だなぁ」

「お前の好きなデザインを選べよ。何なら特注で作らせても構わない」
「えっ・・・?」

入籍を済ませた足で連れて来られたのは、世界でも名だたる超高級宝飾店だった。
超VIP待遇でホテルの一室のような場所に連れてこられると、そこにはズラリと並べられた数々の結婚指輪が。豪華な照明も相まってか目を開けているのすらやっとなほどの輝きで溢れている。

「えーと、一応確認するけど結婚指輪・・・だよね?」
「お前が婚約指輪がもう一つ欲しいっつーんならそれでも構わねぇけど?」
「ちっ、違いますっ! そういうことじゃなくって!!」
「じゃあなんだよ」

つくしは既に自分の左手に鎮座している指輪をあらためて見つめた。
桜子達から億は下らないと言われた婚約指輪。
結婚指輪をするようになればこんな恐ろしいものを身につける機会がやっと減るだろうと安堵していたというのに、今目の前に並んでいるのはそれに負けず劣らず超高級品だとわかるものばかり。

「あのさ、結婚指輪って・・・石とかついてないものなんじゃないの?」
「それは人によりけりだろ。なんだ、それが嫌なのか?」
「嫌っていうか・・・これから毎日身につけるものだから壊れたらどうしようとか怖くて」
「そん時は直せばいいだけだろ」

いかにもセレブらしいアッサリとした答えだが、目ん玉が飛び出そうなほどの宝石が壊れることを想像するだけでも失神しそうだ。

「そうかもしんないけどさ・・・一生ものだからそうはしたくないっていうかDream Beauty Pro 好唔好
「・・・・・・」
「・・・何?」

何故か自分を見て微かに頬を赤らめた反応につくしが首を傾げる。

「・・・お前、文句言いながらもサラッと人を喜ばせることを言うよな」
「えっ?! 何が?」
「俺との絆である指輪を肌身離さず身につけていたいとか・・・ったくお前も相変わらず遠回しな女だよな」
「え? えっ?!」

なんか相当脚色がなされてないか?!
呆気にとられるつくしをよそに、司はすこぶる上機嫌で緩む口元が隠せていない。

「まぁいい。いずれにせよお前にはそれなりのものを送りたいっつーのは俺の男としてのプライドだ。デザイン諸々はお前の好きなようにしろよ」
「う、うん。 ありがとう・・・」

なんだか腑に落ちない点もあるが、まぁ喜んでもらえたのなら結果オーライにしておこう。
つくしはそう自分を納得させると、あらためてズラリと並んだ数々の指輪を見渡した。
いずれも超高級品であることに変わりはないが、少々デザインが奇抜なものから極々シンプルなものまで、よく見れば実に様々なデザインがあることがわかる。

「あ、これ・・・」

その中の1つに、何故かふと目に止まったものがあった。
プラチナの指輪だが片方はぐるりと周囲を囲むようにダイヤが埋め込まれ、方や対照的に1つだけダイヤが埋め込まれている。おそらく値段はつくしが想像する遥か上をいくのだろうが、豪華ながらもシンプルで上品なそのデザインに心惹かれた。

「そちらのデザインコンセプトは男性側が 『あなただけを愛し続けます』 、女性側が 『あなたを無限の愛で包み込みます』 なんですよ」

じっとそれを見ていたつくしに担当の女性がニッコリ笑ってすかさずフォローを入れるDream Beauty Pro 好唔好

「そ、そうなんですか・・・」

なんだかコンセプトをあらためて言われるとまるで盛大な愛の告白をしているようで照れくさい。
だが・・・

「お前これが気に入ったのか?」
「・・・うん。理由はわかんないけどなんかこれだけが目に入ってきたの」
「じゃあこれに決まりだな」

降ってきた言葉に思わず顔を上げた。

「えっ?! だってまだ全部見てないよ?」
「必要ねーよ。こういうのは直感が大事なんだよ」
「でも司の希望は・・・?」
「俺がそんなもんあると思うか? お前がいいっつーなら俺にとってはどれでも同じだ」
「・・・すんごい安いのでも?」

その切り返しにピクッと動きが止まる。

「プッ、うそうそ。 うん、そうだね。たくさん見たって迷うだけだし、司の言う通り直感で決めることにする」
「よし、じゃあ決まりだな」
「あ、ちなみにだけど・・・」
「ん?」

何かを言いかけたつくしがはたと我に返って慌てて首を振った。

「あ、やっぱり何でもない」
「なんだよ? 気になんだろ」
「ううん、いいのいいの! あ~、ほんとに綺麗なデザインだね~!」
「・・・?」

腑に落ちない顔をしているが、あれ以上聞いてしまったら眠れなくなるのはつくしの方だ。
以前もらった婚約指輪も素晴らしいものだとは思っていたが、まさか億は下らないと言われるとは思ってもいなかった。今ここでこの指輪の値段を聞いたところで・・・きっと予想の遥か上をいく答えが返ってきて卒倒するに違いない。

聞かぬが仏、知らぬが仏・・・


Posted by 好きな色 at 18:30│Comments(0)
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